【5】資金運用 | (2)教育資金

資金運用に関する以下のQ&Aにお答えしています。
(1)ライフプラン (2)教育資金 (3)住宅ローン (4)退職金活用 (5)年金試算 (6)海外資金運用

(2)教育資金の質問を表示しています。

  • 【Q1】教育関係の資金は、いったいいくらぐらいかかるものでしょうか。

    【A】教育資金がどれほどかかるものなのか、統計をみながら解説します。平成21年の文部科学省白書によると、大学卒業までにかかる平均的な教育費について、幼稚園から大学まですべて国公立に進んだとしてもおよそ1,000万円、すべて私立学校に進学したとすると2,300万円以上かかると試算しています。実に2倍以上の開きがあります。自宅通学か、もしくは下宿などアパート暮らしかでも、200~300万円前後の開きがありますので、地方出身者が東京などの都市部の大学等に進学したとすると、相当な金額負担を強いられるということになります。これは子ども一人に対する教育資金ですから、子どもが多ければ多いほど親の負担額は重くなるというのが現状です。また、小学校までは公立で、中学から私立学校へ進学させる親御さんも多くいます。この場合、平均して1,600万円超の教育資金がかかります。また、高校から私立という場合、1,400万円超の教育資金がかかるといわれてます。では、公的機関からの教育費に占める負担率はどうかというと、高等教育段階でみると、フランスやドイツが80%超、英国が60%超に対して、日本は3割強にとどまっています。高学歴になればなるほど、私費負担が重くなるのが日本の実情といえます。

  • 【Q2】先日、息子夫婦に孫が生まれました。孫のために何か用立ててもらおうと積み立てしようと思います。何かよい方法はありますか。

    【A】お孫さんのために資金を積み立てようとする方は多いと思います。もっともポピュラーな積み立て商品は、定期積金です。ある一定の積立期間と積立額を決めて、金額を積み立てていく商品です。定期預金や貯蓄貯金に比べると利率が低く設定されているものの、無理なくコツコツと貯めることができることから、根強い人気があります。この商品はどこの金融機関でも取り扱っているわけではなく、信用金庫や信用組合、JAといった地域金融機関で受け付けています。また、ゆうちょでも、定期貯金として同じような商品を取り扱っています。教育資金が必要になる節目としては、小学校や中学校、高校などの入学時でしょう。たとえば、6年後に小学校入学時に向けて積立をするという目標で設定できるでしょうし、それ以降も同じように積立てをすることができますから、使い勝手が便利といえます。ただ、入学時の費用がかさむ場合には、ある程度まとまった資金が必要になってきます。これについては、ご自分の資産の一部を教育資金に充当させる方法が妥当です。平成25年の税制改正で教育資金に関して一括した非課税特例が認められました。こうした特例なども使うのも効果的といえます。

  • 【Q3】学資保険があるとききました。どのようなものですか。

    【A】学資保険とは、子どもの成長と同時に必要となる教育資金を積み立てながら、保険も付与されている金融商品のことです。保険会社によってさまざまな商品がありますが、一般的な内容としては、保険料の払込期間は大学進学までの18歳が満期となっています。その間に入院特約や疾病特約などがついていて、死亡給付金もついています。学資保険の目的は、教育資金に充当することを目的としているところです。そのため、学資保険のなかには、教育資金の必要となる中学校、高校などでも中途解約ではなく、中途返戻金として満期額の一部を受け取れる商品もあります。ただ、もっとも教育資金が必要となるのは大学など高等教育に進学するときです。文部科学省の統計によると、国公立大学に進学した場合の年間学費(平均値)は、授業料が約54万円、入学金は30~40万ほどとなっています。私立大学ですと、文系で120万前後、理系で150万前後、医歯薬ですと500万円(大学によって差あり)かかるといわれています。そのため、大学進学時に満期になるような学資保険の利用も効果的といえます。

  • 【Q4】大学に進学予定の孫がいます。資産の一部を教育資金に充当させる方法として、特例制度みたいなものはないのでしょうか。

    【A】平成25年の税制改正で、教育資金にかかる贈与に対して新たな制度が設けられました。資産を信託財産として預けた場合、1,500万円までの教育資金は贈与税について非課税になりました。具体的に解説します。Aさんはお孫さんに資産の一部を教育資金に充当したいと考えます。そこで、その資産を信託財産等として預け入れます。まず必要になるのは、口座の開設です。Aさんはここで、口座開設のため、信託銀行もしくは銀行に開設のための手続きをとり、そしてお金を預けます。預けるお金の限度額は1,500万円です。教育資金としてお孫さんが払い出しをするのですが、その際に金融機関に教育資金として使用したことを証明する領収書を提出します。この制度の利用期間は、お孫さんが30歳になったときか、預け入れていたお金がすべてなくなったときまでで、30歳になった時点で残高があった場合は、贈与税として課税されます。この制度の特徴は、資産を利用できる世代は子だけでなく孫やひ孫まで対象であること、一括して口座に預け入れる必要があること、学校以外でも使用できるなど範囲が広いこと、などがあげられます。ただし、この制度は教育資金に関しての利用に限られているため、老後資金を充当してしまうと何かのときに役立てません。どれほどの金額を用立てる必要がありそうか、よく考えて利用するようにしてください。また、この特例は平成27年12月31日までの間に教育資金として拠出されるものに限りますので注意が必要です。

  • 【Q5】家計に対する教育費用の負担はどの程度なのでしょうか。

    【A】結婚し、子どもが生まれてから親御さんが考えるのは、子供の養育にかかる費用などでしょう。日本政策金融公庫が実施する教育ローン利用者に向けたアンケート調査 によると、年収平均は552.6万円で、子供二人世帯の費用負担割合は世帯年収の40.1%となりました。年収の4割が教育費にあてられていることからしても、教育費がいかに家計にとって負担となっているかがわかります。年収別でみると、200万円以上400万円未満の世帯では年収の6割が教育費で占めているようです。このようなことからも、教育資金が家計収入に与える影響は非常に大きいことがわかります。ここ最近の大学進学率も、50%を少し超えるあたりに前後していて、二人に一人が大学進学をする時代です(文科省調査より)。また、専門学校などの進学も多いなど、進学の多様化もすすんでいて、それに対応するように教育資金もかかっているといえます。