【8】独立開業 | (3)助成金活用

独立開業に関する以下のQ&Aにお答えしています。
(1)事業計画立案 (2)資金調達 (3)助成金活用 (4)会社設立登記 (5)税務申告 (6)税務調査

(3)助成金活用を表示しています。

  • 【Q1】助成金・補助金とはどのようなものでしょうか。

    【A】助成金・補助金とは、国や地方自治体が事業に対して一部費用を助成・補助してくれる制度のことをいいます。通常、この制度を受けられるのは中小企業で、中小企業の支援を目的としています。助成金と補助金の違いですが、助成金を受けるための資格要件を満たせばもらえるのに対して、補助金は資格要件を満たしていたとしてももらえないということです。補助金をもらうためには、どのような事業に使うのか、事業計画書等で補助金を使う必要性を積極的にアピールして、もらう以外に方法がありません。また、補助金は受けられる会社の数も限られているのに対して、助成金は資格要件を満たしていればほぼもらえるという点も違います。どちらも共通しているのは、助成金や補助金の交付を受けるのは、その目的を達成してからということになります。つまり、後払いです。ですから、事前に交付があって、それを元手に目的を達成するということではありません。なお、補助金については、審査前と審査後でそれぞれ検査があります。補助金の対象となる事業目的のために使ったのかどうかを証明する書類が必要になるほか、会計検査院の検査を経て、初めて交付されるものです。なお、交付された助成金・補助金を返金する必要はありません。

  • 【Q2】独立開業をするうえで、どのような助成金・補助金があるでしょうか。

    【A】国が独立開業を支援する助成金として募集している主なものは、創業補助金(独立行政法人中小企業基盤整備機構)、中小基盤人材確保助成金(独立行政法人雇用・能力開発機構)、高年齢者等共同就業機会創出助成金(厚生労働省)、「地域創業助成金」(厚生労働省)、などがあります。たとえば、45歳以上の高年齢者3人以上が共同で法人を設立し、さらに45歳以上の人を継続的に雇用・就業させることを目的に創設等をした場合、その創設にかかった費用について助成してもらうのが、高年齢者等共同就業機会創出助成金です。創業補助金とは、創業者向けの補助金制度で、事業計画書を作成し、申し込むことで、交付される制度です。この創業補助金の交付を受ける場合は、事業計画書や申請書類は創業者が作成するのではなく、認定支援機関と一緒に作成し、認定支援機関の印鑑が押印されていることが必要です。認定支援機関は、公認会計士や税理士などのほか、信用金庫などの金融機関がそれにあたっています。ただし、創業補助金の交付を受けるには、使用目的の制限や、貸出後も規定の書類を提出するなど、細かい規定があります。メリット、デメリットを十分に勘案して申請するようにしてください。

  • 【Q3】創業支援に関する助成金・補助金を受けたいと思っています。おおまかな手続きについて教えてください。

    【A】ここでは、創業補助金を例にとってみていきましょう。まず、申請する補助金の内容を確認します。申請の対象条件については、新規で会社を設立予定であること、補助金の定める規定の期限以降に会社を設立した人であること(平成26年の募集要項では、平成25年3月23日以降)を確認します。申し込みは個人で申し込みます。申し込み時期は決まっていて、各都道府県の創業補助金事務局が募集を開始してからになります。さて、申請書類ですが、認定支援機関とともに事業計画書等を作成します。書類が整ったら、創業補助金事務局に申請書類を提出し、審査を受けます。ここで注意したいのは、募集期間内に提出することです。ここで書類審査があります。審査が終了すると、結果が申込者に届きます。この間、1~2か月ぐらいです。そして、申請が受理され、受けられることになったら、あとは事業を展開することになります。助成金や補助金はすべて後払いですので、事業を展開し、およそ1年間が補助対象期間となります。そして、この期間後に、事業にかかった請求書や領収書などと一緒に報告書を提出します。経費が申請どおりの目的で使用されたと認められれば、そこで初めて創業補助金が交付されることになります。必ず交付されるわけではなく、認められなければ交付されませんので、注意してください。

  • 【Q4】助成金・補助金のメリット、デメリットはなんでしょうか。

    【A】助成金・補助金ともに用途に応じて交付されるものです。助成金や補助金によってそれぞれ条件が異なりますが、この制度の最大のメリットは、交付されたお金の返金が不要であるという点です。創業時というのは、どうしても資金が必要になります。しかも、用意しておいたお金をできるだけ有効に活用したいものです。であれば、返金不要という助成金や補助金を活用しない手はありません。金額は上限200万円前後と決して高額ではありませんが、助成金・補助金によっては色々な用途に活用できるというメリットがあります。経費の負担を軽減するうえで、活用次第では有効に働く制度といえます。ではデメリットは何かというと、交付はすべて後払いであるということです。金融機関等の融資とは異なり、前払いではなく、規定の期間における経費が申請どおりなされたかどうかが審査され、審査が受理されてはじめて交付となります。ですから、申請から1年近く待たなければ交付されません。さらに、申請中や、交付後も引き続き報告書を提出するなどの義務化が生じます。このように、メリット・デメリットはあるものの、助成金や補助金のような無担保保証人不要の資金交付は他にありません。どちらがお得か、よく検討してみるとよいでしょう。

  • 【Q5】実際に助成金や補助金をもらえたとして、どれほどの資金メリットが生まれるのでしょうか。

    【A】創業補助金を例にとってみます。資金メリットという観点でいうならば、創業のときにかかった経費の上限200万円までが補助金でまかなえます。たとえば、経費を210万円使ったとしますと、補助率が3分の2ですので、210万円×3分の2=140万円となります。上限200万円まで補助されますので、140万円であればすべて補助されることになります。 もし315万円の経費がかかった場合は、315万円×3分の2=210万円となり、上限の200万円を超えます。この場合、超過分の10万円はもらえませんが、上限の200万円までなら受け取ることができます。200万円という金額は、そう多くはないように思えるかもしれませんが、創業時は売上がなかなかたたない反面、どうしても経費がかかってしまい出費がかさんでしまうものです。ここでかかる経費はすべて必要経費になりますので、省くことはできないものでしょうから、金額の大小よりも、少しでも補助してもらえるものならば活用すべきだと思います。